牧港クリニック「痛みの治療センター」 沖縄県浦添市牧港 麻酔科, ペインクリニック内科, 整形外科

椎間板ヘルニアとは

椎間板ヘルニアとは

腰~お尻太ももの後ろ~ふくらはぎにかけての痛みやしびれ(いわゆる座骨神経痛)を起こす疾患です。 20歳から40歳代の働き盛りの人に多い疾患です。
背骨と背骨の間にある椎間板が圧力でつぶれて、脊髄神経の通り道である脊柱管内に飛び出して、神経を圧迫し、神経の炎症を起こす結果、腰痛や脚の痛みやしびれを起こします。
 

ヘルニアのタイプによる痛み発生メカニズム

1. コンテインドタイプのヘルニア

図1のように繊維輪が破れて髄核が脱出しても後縦靭帯が破れていないタイプ。このタイプでは髄核成分が後縦靭帯の下にとどまり、硬膜外腔に流れ出していないため、髄核成分が神経に接しない。そのため神経が圧迫されるために発生する痛みである。背骨を立てると(座る、立つ)椎間板に体重がかかり、椎間板内の圧力が高くなり、その結果ヘルニアの膨らみが大きく硬くなるため神経を圧迫する力が大きくなり、痛みが強くなる。逆に横に寝ると椎間板の圧力が下がり、ヘルニアの膨らみが小さく柔らかくなるため神経を圧迫する力も低くなり痛みも軽くなるという特徴がある。このタイプのヘルニアでは神経ブロックの効果が弱いかほとんどなく、症状が頑固に続きます。治療は経皮的髄核摘出術の適応になります。

コンテインドタイプのヘルニア
 

2. ノンコンテインドタイプのヘルニア

図2のように脱出した髄核が後縦靭帯を破り硬膜外腔に流出して神経に触れるタイプです。このタイプでは神経の圧迫と炎症が痛みの原因になります。圧迫はコンテインドタイプよりも強くないことが多く、炎症が強く痛みは激烈であることが多いです。寝ていても痛いことが多いです。神経ブロックが非常によく効く場合が多く神経ブロックを繰り返すだけで治癒することが期待されます。神経ブロックには仙骨部硬膜外ブロック、腰部硬膜外ブロック、神経根ブロックなどがあります。神経ブロック療法を2か月以上行っても痛みが強い場合は手術療法を考えた方がよいと思われます。この際の手術は整形外科での手術をお勧めします。

ノンコンテインドタイプのヘルニア
 

3. 慢性化したヘルニア

図3のように脱出した髄核は年月の経過で吸収されて小さくなっているが、神経根の周りに繊維組織が絡まって神経を締め付けて、さらに慢性的炎症が加わっています。このタイプでは神経ブロックはある程度有効ですが、完治させるのが困難で、頑固に痛みが続きます。神経ブロックを2か月程度行っても改善しない場合は、①ラッツカテーテルを使った神経形成術、または②硬膜外腔内視鏡による癒着剥離術が有効です。

慢性化したヘルニア
 

経皮的髄核摘出術とは

切ることなく椎間板内の髄核という部分を摘出して椎間板の内圧を低下させる手術法です。最小侵襲手術(体に最も負担の少ない手術)です。腰の部分から針を刺して、その針の中から特殊な手術装置を挿入して椎間板の一部を取り出す手術です。全身麻酔は必要なく、皮膚の局所麻酔だけでできます。手術時間は30分程度です。1~2泊の入院が必要です。保険適応で自己負担は6~8万円程度です。手術後はすぐに歩くことができますが、術後は2か月間ぐらいコルセットを着用して、激しい運動を避ける必用があります。椎間板が一時的に弱くなるため、椎間関節性腰痛が起きることがあるためです。術前に椎間板造影検査を行ってヘルニアのタイプを診断してから適応を決めます。原則としてコンテインドタイプのヘルニアが適応です。また、椎間板性疼痛、椎間板が突出した脊柱管狭窄症が適応です。
 

硬膜外腔内視鏡とは

仙骨裂孔(尾骨の付け根骨の穴)から直径2.8mmのビデオガイドカテーテルを挿入してその中から直径0.8mmの硬膜外内視鏡を挿入し、硬膜外腔を観察するとともに、病巣までカテーテルを進めて、カテーテル先端を左右に振るように動かして神経根の周りの癒着を剥離する方法です。局所麻酔と軽い鎮静で行います。約30分の手術時間です。

ラッツカテーテルによる神経形成術とは

ステンレススプリングカテーテルは先端が柔らかくて、腰の強いカテーテルです。仙骨裂孔(尾骨の付け根の穴)からカテーテルを挿入して、X線透視装置を使いながら、カテーテル先端を病巣まで進めてそこから癒着剥離効果のある薬剤やステロイド剤、局所麻酔薬、10%食塩液をなどを注入して神経周囲の剥離を行い、神経の炎症や浮腫を軽減する方法です。

 

椎間板ヘルニアの治療について

当院での椎間板ヘルニアの治療は①神経ブロック療法と②インターベンション治療に分けられます。

まず最初は①神経ブロック治療を行います。これで痛みが除去できない場合に検査を行い、痛みの原因を診断した後に②インターベンション治療を行います。

神経ブロック法

1.仙骨硬膜外ブロック

 

2.腰部硬膜外ブロック

 

3.神経根ブロック

 

4.経椎間孔硬膜外ブロック

 

痛みの原因検索法

1.椎間板造影

 

2.硬膜外造影

 

MRI、CT

 

サーモグラフィー

 

インターベンション治療

Raczカーテルによる神経形成術

 

硬膜外内視鏡による神経剥離術(エピドラスコピー)

 

プラズマ椎間板減圧術

 

経皮的椎間板摘出術

 

高周波熱凝固装置による椎間関節除神経術